電子回折図形を見てみよう 公開日: 2010/09/30 | 39 巻 4 号 p. 279-288 山本 直 これから電子顕微鏡を始める人へ(3)電子回折図形を見てみよう Fundamental Analyses of Electron Diffraction Patterns 山本 直紀 YAMAMOTO Naoki 東京工業大学理学部 Department of Physics, Tokyo Institute of Technolog
実験事実として、結晶に量子ビームを当てると回折像が観測されることが知られてい る。図5.2 に、金薄膜の電子線回折を示すが、X線や中性子線を結晶に当てても同様の回 折像が観測される。量子論によれば、あらゆる粒子は波にな 図1 電子と原子との相互作用:(a)クーロンポテンシャルに よる弾性散乱.(回折現象が問題となる小角散乱の領域では電 子雲にスクリーニングされたポテンシャルを考える.一方,原 子核の近傍を通る電子が受ける高角側への散乱では電子雲の存 在を無視できる.),(b)波数ベクトルによる電子波の記述と散 乱ベクトルq. .この記述には位相のずれは考慮され. もう一つの大きな電子顕微鏡の特徴は、電子回折図形を見ることができることです。 これは物(試料)の性質、特に原子の並び方がわかる重要な情報です。X線を用いてもこの情報を得ることができますが、照射域の像との対応がありません。 CRC Hokkaido University 格子と波数と回折条件 格子ベクトルをdとすると、 dsinθ=d⋅k1 /k1 dsinθ=−d⋅k2 /k2 λ λ π θ n d k = = ⋅ − CRC Hokkaido University 逆格子ベクトル 逆格子ベクトルとは上の条件を満たす b jのことを言う。a 1,a 2,a 3に対しては、b1,. 東京大
電子回折または電子線回折 (electron diffraction) は、物質に電子ビームを照射した時に、干渉によって様々なパターンが現れる現象、または、その干渉パターンを観察することで、物質の対称性を研究する技法のことをいう 即ち、後焦点面に電子回折図形(逆空間像)が形成され、一方更に下方の像面には拡大像(実空間像)が形成されることになります。. 対物レンズに続く「中間レンズ」は、その励磁(焦点距離)を切り替えることによって、最終観察面に電子回折図形を表示したり(回折モード)、拡大像を表示したり(像モード)任意に選択することを可能にします(図4(a)と(b)を. 透過型電子顕微鏡によるカソードルミネッセンスの研究 これから電子顕微鏡を始める人へ(3)電子回折図形を見てみよう 第12回 国際電子顕微鏡学会報告 (分析関係
私は新しい電子回折装置を設計し、結晶面に蒸着を行ないながら回折図形の変化を観察し、次々に撮影できるようにした。これは今日盛んに行なわれている「その場観察」の第一号である。この仕事で得た最も重要な結果は、最初から一 図3は金微粒子の電子回折図形(デバイリング)であり、a)は装置を始動して1時間後、b)は 8時間後のカメラ長1.2mの場合の回折図形である。各リングは金結晶の面間隔(内側から 111(0.235 nm)、200(0.203 nm)、220(0.144 n いは、周期性)を利用し、そのX線干渉模様を計測し、それを数値解析することによって、実像である電子 雲の空間分布を解き明かす手法である。従って、X線回折法では電子の情報を取り扱うことに注意したい。つまり、原子核とは無関 実験結果. 3.1 カメラ長の時間変動 図3は金微粒子の電子回折図形(デバイリング)であり、 a)は装置を始動して1 時間後、b)は8 時間後のカメラ長 1.2m の場合の回折図形である。. 各リングは金結晶の面間隔(内側から111 (0.235 nm)、200 (0.203 nm)、220 (0.144 nm)、 311 (0.1227 nm))を示し、a)とb)のリングサイズを比較すると大きさが異なっていることが分かる。. これは時間により.
見ての通り、結晶構造因子は複素数になります。 求めた結晶構造因子の絶対値の二乗(散乱振幅の絶対値の二乗なので、散乱強度になる)を縦軸、$2\theta$を横軸としてプロットすれば、X線回折で得られるようなプロットが得られます アンプ出力 スピーカ端子から信号を取っています。使用しているオシロスコープキットhttp://amzn.asia/2IReKzm ※表示する時間. 収束電子回折(CBED)法とは,一様な厚さで湾曲のない非常に小さな結晶領域(数nmφ) に開き角IO-3rad以上の円錐状の電子線を収束させて照射し,回折図形を得る方法である。収束 電子回折法による結晶構造解析法は,X線回折・中性子回
電子線による結晶構造解析には電子顕微鏡像ではなく電子回折図形が用いられる。その理由は、電子顕微鏡像の空間分解能は、約0.1nmであり、電子回折図形から得られる分解能は0.001nmに達するからである。構造解析の方法に 5.3.3 重なった収束電子回折図形とその中に見られる干渉模様 5.3.4 回折図形の任意の部分の強度を検出する―ピクセル画像強度― 5.3.5 STEMの結像理論 第6章 STEMの各種結像モード 6.1 結晶の原子コラム像 6.2 TEM像とSTEM像.